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顎関節の歪み

私たちの体は日頃の体の悪い使い方の悪習慣や噛み癖などで気がつかない間に下顎の噛む位置を偏位させて行き、更に顎関節の位置を歪めたり、目や鼻なども歪んで来ます。そしてそれに伴って左右の首から肩が歪み腰までゆがみを拡げて行きます。下顎の偏位が体のバランスを崩して行く事につながっています日々の臨床の中でどうしてこの方はこんなにもゆがんでしまったのだろうかと考えてしまう時があります。

顎関節の歪みで特に記憶に残っている方は当時30才の細顔の美人の方でした。その方は高校の時から顎がズレてしまい左右の顎の長さが違って成長してしまい、すでに左の顎が1.6センチ右より短く悩んでおられました。そして症状は右首右肩の強烈な重い凝り、左頭痛、不整脈、左鼻づまり、首から鎖骨につながる筋肉のひきつれで肩、腰まで緊張して骨盤が歪み左足より右足が1cm短くなっていました。そのため重心が狂い右腰に痛みを持っていろっしゃいました。時々右肩の痛みが強くなる事があり、吐き気がするほど痛くなるそうです。左の歯は上下とも強く噛みすぎて内側に倒れてしまい、歯肉にめり込むほどです右は上下普通に生えていらっしゃいます。この問題は長年左に顎が入ってしまい歯を倒してしまうほど左で噛み締めているために起こっていると思い、試しに左の歯を少し高くして噛みやすくすると肩凝り首凝りが消えて、左右の足の長さが揃います。

そこで、矯正をして左の倒れた歯を起こして行き、高さを回復して、右足と左足の長さを同じにすると、横に飛び出して見えた左腰は左右均等になり始め、肩凝りも減って来て、骨盤の歪みがとれて足の長さが左右揃ってくると真っ直ぐ立てる様になって来ました。顔も左右均等に近づき、重心も均等になっております。歯並びを矯正してから左の歯の高さを右の歯の高さに近づける様に徐々に回復していって左右の腕、足が均等に動ける様になって来ました。

頭蓋骨も歪んで左側頭骨がつまり、左頭痛が出てましたが、落ち着いてます。右の顎関節の外れやすさも落ち着き、左鼻腔のスペースの歪みも少しづつ揃い、鼻詰まりも徐々になくなりました。しかしこの症状が改善して来るまで、長い道のりで7年ほどかかりました。13年間かけて大きく歪んだ頭蓋骨、骨格は治るのにそれなりに時間は必要だと感じた症例でした。